
今回は、メディアや家電量販店でちょくちょく見かける「エアコン2027年問題」について書きます。このところ、まさきさんが大いそがしなので、私が聞き取ってまとめました!
「エアコン2027年問題」とは?
2027年4月から国の省エネ基準が大幅に厳格化されることにより、省エネ性能が低い、比較的安価なスタンダード(普及価格帯)モデルのエアコンが製造・販売がしにくくなるというものです。完全な禁止というわけではありませんが、市場からは減少していくと見られています。
そのため家電量販店などでは「安いものを買うなら今のうち!」というキャンペーンも行なわれています。それもあって、今年のエアコンの販売実績は、前年比を大幅に上回り前年同期比で約1.5倍になるなど、記録的な売り上げを出している店舗も多いようです。

そう聞くと、いかにも大きな問題のように感じられますが、実質的にはそれほど深刻なものではありません。慌ててエアコンを買いに行く前に、本当に買い替えが必要なのか、また購入する場合は何を基準に選ぶべきか、冷静に考えてみましょう。
値上がりしても、損はしない
まず最初に知っておいてほしいのは、「省エネ性能が低いエアコンが売れなくなる」というのは、私たちユーザーにとって決して悪いことではない、ということです。
確かに、機種によっては最低価格が数万円アップすることもあるかもしれません。でも、省エネ性能が上がるということは、その分、毎月の電気代が安くなるということです。

冷蔵庫やエアコンは年間を通して使い続けるものなので、ランニングコスト(つまり省エネ性能の良し悪し)によって、最終的な金額にかなりの差が出ます。エアコンの寿命と言われる10〜15年の電気代も含めて、全体のコストで計算してみると、実はほとんど差がなくなるものもあります。しかも、電気代は今後も上がる可能性が高いのです。ランニングコストを減らすことはますます重要になってきます。
初期コストの低さばかりに目を奪われてしまうと、かえって後から損をすることは十分にあり得ます。そのため、「値上がり前に急いで買わなければ」と慌てる必要はありません。
ちなみに、この「2027年問題」が本当に「問題」になるのは、一般の消費者ではなく、賃貸アパートの経営者などです。初期の設備投資を抑えたいオーナーにとっては購入時の「安さ」が最優先で、住まい手が支払うランニングコストは収益には関係がありません。ただ、実際に暮らす住まい手にとっては「性能(電気代の安さ)」が良いに越したことはありません。自分が買うときは長期的なランニングコストを考えて、安心して性能の良いものを選びましょう。
これを機に買い替えた方がいいエアコンは?
一方で、ホルムズ海峡の問題や円安などの影響により、他の物資と同様に、エアコンの価格も今後上がっていくのは間違いありません。
そのため、エアコンが故障がちの場合や、購入から15年以上経っている場合は、これを機会に早めの買い替えを検討した方が良いでしょう。
そろそろエアコンを動かしてみましょう
だんだんと暑いと感じる日が増えてきました。まだエアコンを動かしていない場合は事前に稼働を確かめて、何かおかしいと感じたら、早めに修理業者を呼ぶようにしましょう。
すでに5月の段階で30度を超える日も出ています。ギリギリまで我慢して真夏に使い始めてから、故障していると分かったら目も当てられません。
もう一つやっておきたいのは、フィルター掃除です。

フィルターに埃が溜まっていると、それだけで省エネ性能がダウンして、カビが発生しやすくなります。本来は「2週間に1度の清掃」が推奨されていますが、そこまではなかなか手が回らないと思います。しかしこの使い始めの時期にやるのは本当に大事。あとは気づいたときに清掃するというのが現実的かと思います。
なお、「お掃除機能付きのエアコン」であっても、すべての埃を取り切れるわけではありません。特に小さい埃は取れないことが多いので、お掃除機能に安心することなく、自分でフィルターを外して埃を取ることは不可欠です。
エアコン購入時に気をつけたい畳数表示
また、2027年問題云々の前に大事なのは、エアコンの畳数表示です。特に新しく買うときに気をつけてほしいのですが、畳数表示は無断熱の家が前提で考えられたものです。つまり、それなりに断熱性能がある家では、出力が小さくても部屋を冷やすことができます。
リビングが14畳あっても、10畳用や8畳用のエアコンで十分冷やせる場合も多いのです。購入時に14畳用を買うのか、8畳用を買うのかでは値段がかなり変わります。

なお、実際には断熱性能だけでなく、気密性能や吹き抜けの有無、日射コントロールの違い、換気装置の性能、その部屋で熱がどれだけ発生するかといった条件により、最適なエアコンの出力は変わってきます。
自分の家・部屋に適正なエアコンを選ぶことが大事だということはわかってもらえたかと思いますが、「自分の家の断熱・気密性能がわからない」という人もいると思います。
そういう場合は、今使っているエアコンの畳数表示と使い方(静かモードが多いなど)を確認しながら、一回り小さいものにしてもいいかを検討してみてもよいでしょう。
なお、家電量販店は「冷えなかった」と思われることを恐れるため、大きめの出力のものを勧めることが一般的ですので、話を聞くときにはそこも考慮することが大事です。エアコンの畳数について詳しくは以前書いた記事をぜひお読みください。
家や部屋の大きさと断熱性能以外に考慮するべきなのは、そのほかにどれくらいの熱が出入りするかです。例えば、マンションの最上階、角部屋などは直射日光が入って外気温の影響を受けやすくなるので、畳数表示の通りでも大丈夫(というより場合によってはそれでも効き目が弱い)かもしれません。

窓の外での日射対策、内窓設置、天井断熱などを組み合わせることで、エアコンの効きは断然変わってきます。初期投資、ランニングコストともに、エアコンにかける費用を減らすことはできます。ぜひ覚えておいてください。
この夏も暑くなりそうです。対策を組み合わせて乗り越えましょう!




