高橋さんちのKOEDO低燃費生活

経済的視点からみる「エコハウス」

経済的視点からみる「エコハウス」

エコハウスに住み始めて2年が経過しました。これを機会に、家での暮らしについて再び振り返ってみたいと思います。お話したいことはたくさんありますが、長くなってしまうので、今回はお金にまつわるテーマに絞って書いてみます。

まずはその前提として、一般的な「家とお金にまつわるポイント」をお伝えします。住宅にかかるコストは、主に

  • 初期投資(家を建てる費用)
  • ランニングコスト(光熱費やメンテナンス費)

に分けられます。

重要なことは、一般的には住んだ後で支払うランニングコストの方が、家の購入価格より高くなってしまうことです。

知ってましたか?ぼくはこの家に住むまでまったく知りませんでした(笑)。

2年間エコハウスに暮らして、ぼくたちはランニングコストを安くする大切さを実感しています。これまでの記事で触れていることもありますが、復習も兼ねて参考にしてください。以下は、うちで感じたことのまとめです!

光熱費がとても安い

ゆみが書いた光熱費の記事でも触れられていますが、ぼくたちは主に家で仕事をしているので、家で過ごす時間がかなり長いのに、電気代とガス代を合わせても年間で8万円程度です。実際には、太陽光発電で自家消費している分がありますが、それでも年間10万円はいかないはずです。

これは月平均にすると6,600円くらい(太陽光の自家消費がなかったとしても7,600円くらい)になります。一般的な2人暮らしの電気代とガス代の平均額は13,400円ほどなので、平均の約半額です。

ちなみに、ぼくは極度の寒がりなので、冬は結構エアコン暖房を使っています。もし住人がぼくほど寒がりではなかったら、無暖房でも18℃以下にはなかなか下がらないこの家では、冬の光熱費はもっと下がるはずです。

消耗品費が減る

例えば、そうじが簡単になってお掃除グッズが減ったり、除湿剤などの湿度対策用品を買わなくなったりました。また、アレルギー鼻炎が改善してティッシュの消費量も減るなど、日々の細々した出費が大幅に減りました。

ひとつひとつは小さい買い物ですが、何十年レベルで積み重なると大きな出費になります。

詳しくはゆみが書いたこちらの記事を見てください。

夏用、冬用のグッズの費用がなくなる

家の中で暑さ、寒さに悩まされることがないので、さまざまなグッズが不要になりました。特に寒がりのぼくは、さまざまなモコモコあったかグッズを持っていましたが、ほとんど不要になりました。

こちらも詳しくはゆみの記事を見てください。

温度と湿度が安定によりモノが傷みにくい

前の家では、室温の変化や湿気の影響で、木製品にカビが生えたり、電化製品が傷みやすくなっていました(湿気との戦いについてはこちら)。

でも安定した温度と湿度を保っているので、今はそのようなことを気にする必要がなくなりました。

まだ住んで2年なので、家そのもののメンテナンスにかかる費用のメリットはさすがに実感していませんが、この環境であれば、家具や内装も長持ちするでしょうし、メンテナンスにかかる費用は安く済みそうです。

家の空間の費用対効果が高い

夏のロフトが暑くなかったり、冬の窓際が寒くないので、他の場所とまったく変わらず活用できています。また、季節用品がない分、必要な収納場所が少ないので、実際の広さよりもスペースが有効活用できます。

逆に言うと、高性能な家では、これまでの家と同じ空間の暮らしを少し小さめの家でできるということになります。

仕事がサクサク進むようになった

静かで空気感がいいことから集中力が高まり、以前に比べて仕事の効率が上がりました。昨年からは夫婦ともにフリーランスとなり、家のオフィスで席を並べて仕事をしていますが、それでも集中して進められています(笑)。

これ自体は、ぼくたちがフリーランスという特殊な状況だから実感できることです。でも普段は外で働いている人であっても、家にいる時にゆっくりくつろげたり、熟睡できることで仕事の効率アップにつながることは間違いないと思います。

まとめ

エコハウスのおかげで、わが家の財布事情と今後の見込みはずいぶん向上しました。

なお、ローコスト住宅と高性能なエコハウスとでは、このランニングコストの差は毎年の積み重ねではなく、年々開いて行くと予想されています。

例えば光熱費は必ずしも一定ではなく、電気代やガス代は、長い目で見ると年間2%から3%程度の割合で上昇傾向にあります。今後、数十年単位で見ると、大幅に上昇してもおかしくありません。そうなると光熱費の差はさらに大きくなる可能性があります。

また、メンテナンスコストでは、さらにはっきりと差が開いていきます。ローコスト住宅は劣化が早いため、35年ローンが払い終わる頃には家がかなり傷んでしまいます。

快適に住み続けるためには、リフォームに家をもう一軒買えるくらいの費用をかけなければなりません。長期的視点で考えたら、初期投資が少し高くなっても高性能なエコハウスを選ぶことは、経済的にプラスになるのです。

エコハウスで暮らしてきたこの2年間、生活の中でさまざまなことに気がつきました。でも、最近は新鮮だった驚きが当たり前になり、うちを訪れたお客さんに言われたり質問されて、改めてこの家の性能に気づいたり、思い出すこともあります。

そんな時に思い出すのが、どうしてぼくたちがこの家に住んで、ブログを書こうと思ったのかという原点です。

ぼくは決して、みんながエコハウスに住むべきだと思っているわけではありません。また、さまざまな事情からしたくてもそれができない人がいることは知っています。

でも、日本では住宅の性能が悪いことでさまざまなストレスが生まれ、トラブルが起きています。他の国ができているのに、日本だけ快適な暮らしが実現できない理由は、技術の問題ではなく人々の意識の問題があるからです。

ぼくたちが「違う選択肢がある」ことを発信し続けることで、住まいについてのこれまでの概念をひっくりかえし、これを読む人たちが新たな発見をしたり、今の環境をより快適に、よりエコにする方法を考えるきっかけになればいいなと思っています。

また、個人が家を建てるかどうかという話だけでなく、ドイツなどがそうであるように賃貸住宅や公共施設なども含めて社会の建物全体のレベルを向上させていく流れを作れればと思っています。

これについてはまた詳しくお話ししたいと思いますが、今日のところはここまでに!

最後までお付き合いありがとうございました!

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