高橋さんちのKOEDO低燃費生活

オーストリアの家に学んだ、デザインと性能を両立したまるごと木の家!

オーストリアの家に学んだ、デザインと性能を両立したまるごと木の家!

コロナの影響もあり、最近は取材に出かけることがありませんが、今日は緊急事態宣言が出る以前に取材した、木がふんだんに使われたステキなお宅をご紹介します。

高気密・高断熱の家と聞くと、外見はわが家のような一見フツーの家だったり、窓が小さな四角い家をイメージするかもしれません。でももっと自由なデザインと素材でつくられている家も出てきています。

今回紹介するお宅も、木でいっぱいのオシャレな家ですが、気密性・断熱性が高くて最小限のエネルギーで快適に過ごせる工夫が施されています。

『住む。』という雑誌の取材で訪問させていただいたのは、山形市内にある三浦秀一さんのお宅です。東北芸術工科大学の先生である三浦さんには、山形のエネルギーの取材の際にいつもお世話になっています。

三浦さんの専門のひとつは、木質バイオマスエネルギーです。「木質バイオマス」というのは、発電や暖房の燃料として薪やチップなどを使う、木材のエネルギー利用のことですね。

その研究を通して、本場のオーストリアを訪れるようになった三浦さんは、あることに気づきます。「あれ?外は厳しい寒さなのに、家の中はちっとも寒くないぞ」と。

それが高気密高断熱の家との出会いでした。そこから省エネ住宅の研究を始め、最終的には山形に、オーストリアの家のような自宅を建ててしまおうとなりました。

外壁は無塗装の木材(山形県産の杉)です。日本では珍しいですが、オーストリアを含めヨーロッパでは、このように無塗装の木材がそのままの外壁の家も多く建てられています。理由の一つは、廃棄する際に自然環境に負荷をかけないためという考え方もあるとのこと。

ちなみに、以前の記事で紹介した長野の友人宅の家でも外壁には木材が使われています。

では中にお邪魔します。

室内には、吹き抜けには慣れているはずのぼくもびっくりするほど大きな吹き抜けがありました。

大きな吹き抜けは冬は寒くなると考えられていますが、高気密高断熱のエコハウスなら大丈夫。床から天井まで、温度はほとんど変わらず暖かく過ごせます。

白い内装には家の装飾や花などの色が映えますね。ちなみに三浦さんの奥様はフラワーアレンジメントの先生で、自宅で教室を開催しています。白いお花がきれいですね。

この家は、「エコハウスは窓が小さい」というイメージも覆しています。断熱性能の高い木製サッシとトリプルガラスの組み合わさった大開口は、寒さ暑さを和らげてくれるのです。

山形は冬に寒くなるのはもちろんですが、夏の日中は暑くなるそうです。でも夏の直射日射は袖壁と庇代わりの2階のバルコニーが防いでくれます。熱くなるテラスには白いタープ(布)を張って照り返しも防ぎます。夏の日射対策、重要ですね。みなさんもいまからでもぜひやってください。

冬の暖房は、基本的に薪ストーブだけ。しかも昼間は不要で、朝と夕方から夜の間だけ使え済むそうです。断熱性能が高いので、使う薪の量もこのボックスひとつで足りるとのこと。薪ストーブって普通の家だとかなり薪を消費するのですが、エコハウスならそんなにいらないということになります。

何年もかけて立地を探したというだけあって、この家の窓から見える景色は素晴らしく、畑の変化を通じて四季折々の景色が楽しめるようです。わが家の窓からは幹線道路とあまりきれいじゃない川しか見えないので(笑)、憧れます。

仕事で色々なステキな家を見せてもらう機会があるので、とても勉強になります。今回の記事ではさらっとしか触れていませんが、今回の訪問は、『住む。』No.74号 夏号(2020年6月22日発売)に詳しくレポートしています。

今回の記事はぼくが慌てて撮った写真で申し訳ないですが、雑誌にはカメラマンさんの素晴らしい写真が載っており、ご家族とのストーリーや、暑さ、寒さを和らげる驚きの仕掛けなどなども紹介しています。ご覧になっていただけると嬉しいです!それでは!

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