高橋さんちのKOEDO低燃費生活

そこまでやるの?!ドイツの省エネ改修

そこまでやるの?!ドイツの省エネ改修

こんにちは、まさきです。先月、夫婦でドイツに行ってきました!ゆみが書いたドイツの窓を特集した記事には、さっそくたくさんの反響をいただいています。

窓と言えば、川越のわが家の窓はトリプルガラスの樹脂サッシだよ、と言ってきましたが、日本では、ほとんど見かけません。うちをつくった地元の工務店さんは、ときとして「お宅は断熱やりすぎでは?」などと言われているそうです。わが家の真夏や真冬の快適さを感じてもらえたら、そんなことはないとわかってもらえると思うのですが…。

トリプルサッシは当たり前?!

でもドイツでは、どこに行っても新築や改修した建物には、トリプルガラスの樹脂サッシが当たり前に使われていました。戸建ても集合住宅も、ぼくが泊まったごく普通のビジネスホテルでもトリプルガラスです。

その背景には、ドイツは産業として断熱改修に力を入れているので、いまやペアガラスよりも、大量生産されているトリプルガラスの窓の方が安いということがあります。だからわざわざペアガラスをつけるところがないとのこと。恐れ入りました!

すごいのは窓だけではありません。ドイツではなぜそんなに熱心に省エネ改修(断熱改修)に力を入れるのでしょうか?

省エネ改修が経済を回す?

ドイツでは国の政策として、断熱改修工事が熱心に進められています。ちょっと街を歩くだけでも、あちこちで工事が行われている現場に出くわします。

その多くが、古くなった既存の建物の窓を替えたり、分厚い断熱材を外から貼り付けたりすることで(これを外断熱と言います)、建物の性能を上げています。

これは、工事現場にあった壁の外に貼り付ける断熱材の塊です(置き方が雑!笑)。

ちなみにドイツはいま、人口増加と好調な経済によって、新築の建物の工事も同時に増えています。

国から補助金が出るので、建物の持ち主は割安で断熱できるし、工事を請け負う建設会社や地域の工務店は仕事が増えます。さらに国レベルで省エネが進むことで、国外から輸入するエネルギーに支払うコストを下げることができるため、最終的には国家にとっても利益になるという構造です。単に省エネになるだけでなく、みんなが経済的にプラスになっているのが特徴と言えるでしょう。

改修で暖かくなったかというと…

ドイツを取材しに行く際にぼくが気になっていたことのひとつは、省エネはもちろんですが、「断熱改修によってどれくらい暖かくなったか」という暮らしの実感でした。ぼくたち自身は、無断熱に近い家からいまの低燃費住宅に引っ越したことで、ダイレクトにその差がわかるのですが、ドイツではそれが街ぐるみで行われているので、どんな反応になるか聞いてみたかったのです。

そこで、断熱改修プロジェクトを進める何人かのキーパーソンに取材した際、「改修後は暖かくなりましたか?」という質問をしました。ところが…

彼らから返ってくるのはまるで要領を得ない返事ばかり。みんな「確実に省エネになりました」とは答えてはくれるのですが、暖かさについてはコメントが出てきませんでした。そして、話している途中にこんなことに気づいたのです。

「そうか!ドイツでは真冬でも家が寒くないのは、改修前から当たり前なんだ!」

確かに、断熱改修により冬場に使う暖房エネルギーは大幅に減っています。暮らし方にもよりますが、同じ暖かさを保つのに、暖房費が以前の半分になったというお宅も珍しくありません。

しかしドイツは日本とは違って、家のどこに行っても暖かい全館暖房です。改修前でも建物の断熱性能がそれほど悪くないのに加え、そもそも家の中が寒くてたまらないのにガマンするというコンセプトはありません。経済的に多少厳しくても、暖房費用がかなりかかったとしても、寒くてたまらない生活を続ける人はあまりいないのです。だから実感として「暖かくなってよかった」というコメントが聞けないのは当たり前なのです。

そんなわけで「断熱して暖かくなりましたか?」なんていう質問は、ドイツ人にとってナンセンスな質問だと気づいてしまいました。ガーン…。

いやいや!これで終わらせちゃいけません!

日本だって技術的に劣っているわけではないのだから、意識さえすればできるはずです。実際、ごく最近ですが日本の窓メーカーさんもドイツに近いレベルの樹脂サッシをつくるようになってきています。家を新築するときはもちろん、省エネ改修で内窓をつけるときにはそのあたりをチェックしてみてください。

日本で今できてないからといって、悲観する必要はありません。逆に言えば、窓や壁などの対策をちゃんとやれば、日本の家を省エネで暖かく(&涼しく)することは十分に可能です。一歩づつ進めていけたらいいですね。

ドイツで考えたこと、学んだことは、今後も随時アップしていきたいと思います!

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