高橋さんちのKOEDO低燃費生活

暑さ対策!効率的なエアコンの使い方

暑さ対策!効率的なエアコンの使い方

梅雨はどこに行った?と思うほどの、厳しい暑さが続きます。そこで、猛暑と電気料金の引き上げに負けないために、エアコンを効率的に使うためのポイントについてお伝えします。今回はマニアックになってきたゆみとの対談形式でお送りします。

ゆみ:では早速、光熱費をできるだけ抑えながら涼しく過ごすための、エアコンの使い方のポイントを教えてください。

まさき:(なぜ敬語なんだ?)まずおさえておきたいのは、暖房にはいろいろな種類がありますが、冷房についてはエアコン一択という事実です。そのうえで、エアコンは電気代がかかるというイメージを持っている人が多く、節電のためにとりあえずエアコンを切ろう(またはできるだけ使わない)と考えがちです。

それから、ご年配の方の中には「エアコンは贅沢品」というイメージがあって、使いたくないという方もいます。でも、この猛暑では使わないと熱中症の危険性もあります。実際、エアコンをつけずに熱中症になり、救急搬送されている方も毎年増えてきているので、危険です。エアコンは、使い方次第で効率的に快適性をあげられるので、うまく使うことが大事です。

ゆみ:確かに、みんなエアコンってエネルギー使うというイメージ持ってるよね。

まさき:(今度はタメ口ですか?設定は何?)エアコンは、1のエネルギーを2にも3にも変えてくれる、ヒートポンプという仕組みがあるので、実はエネルギー効率に優れています。エネルギーを浪費するイメージがあるのは、エアコンそのものや使い方の問題の前に、家の断熱・気密性能に問題がある場合が多いのです。

だからエアコンの使い方だけ変えてもダメなんです。正確にいうと、効果が薄れてしまうのです。このことは、あまたある「エアコンの効率的な使い方」というネット記事には書いていませんが、前提条件としてすごく大切です。

エアコンの出力を強くしても、いつまでも部屋が冷えずに、エネルギーが漏れ出てしまうことになります。快適にならず、光熱費が上がれば誰だって良いイメージは持たないでしょう。でもその原因はエアコンではなく建物にあるんだと理解してほしいと思っています。

もちろん、すぐに家の断熱に手を加えることはできないかもしれないけれど、簡単にできることもいくつかあります。

このブログでも何度か紹介していますが、直射日光を入れないように「遮熱」する、そして、内窓を取り付けるなどの「断熱」をすることです。その上で、エアコンをどう使うかを考える必要があります。夏の暑さ対策として窓の「遮熱」と「断熱」をしようという内容は、実は小学生くらいの子どもでも実践できます。ぼくたち二人で書いた新刊『SDGs自由研究』(かもがわ出版)でも紹介しました。(ここでしっかり宣伝!)

ゆみ:じゃあ、窓の外にすだれで遮熱して、内窓をつけたとして、エアコンをどう使ったらいい?

まさき:(そろそろ本題に入らないとタイトル詐欺みたいになっちゃからね)エアコンは、外気温と室温の温度差が大きければ大きいほど電力を使います。一般的には、最初につけた時に電力を多く使います。自動車が出発する時アクセルを踏み込む感じです。

節電におすすめなのは「自動」設定です。温度が高ければ最初はかなりの出力が出ますが、いったん適温になると、その温度を保つだけでいいので、トータルでは消費電力が少なくなります。

逆に、最初に一気に冷やさずに「弱」とか「しずか」モードにすると、適温になるまで時間がかかり、温度差が大きい状態でつけ続けることになるので、効率が悪くなります。

そのため、一度適温になってから1時間程度などちょっと出かけるくらいであれば、こまめにつけたり消したりするよりも、つけっぱなしにして温度を保つことをお勧めします。一般的な建物では、エアコンを切るとすぐに部屋の温度があがってしまい、また冷やすときにエネルギーをたくさん使いますから。

ちょっとのおでかけではなく、長時間の場合はどうでしょうか?これこそ家の断熱性能によって大きな差が出るので一概には言えませんが、一般的な日本の住宅の性能(断熱等級4以下)であれば、消した方がいいかもしれません。

「自宅の断熱等級がわからない」という方も多いかと思いますが、日本の既存住宅の9割以上が断熱等級4以下なので、まあほとんどの方が当てはまる、と考えて良いかと思います。もちろん、新築のときに断熱に力を入れて建てた方は別です。

ゆみ:あと、いつもエアコンとセットでサーキュレーターを使うのを勧めているよね?

まさき:部屋の中で温度ムラができないように、室内の空気を撹拌するのはとても大切です。同じ方向だけにエアコンの涼しい風が行くと、エアコンが実際と違う温度を感知してしまって、冷やしすぎたり、必要な出力が出なかったりすることもあります。

空気を回すのには、サーキュレーターがおすすめです。角度を変えやすかったり、効率的に空気の循環ができるからです。ただ、持っていなければ扇風機でも代用できます。また、エアコンの風向きを自動で変える設定にすることでも効果はあります。

ゆみ:それ以外のアドバイスは?

まさき:地味だけど効果があるのが、フィルターのクリーニングです。エアコンの各メーカーによれば、だいたい2週間に1回くらいフィルター掃除を勧めています。でも実際には、そんなにやるのは大変です。ぼくもさすがにそんなにできていません。1ヶ月に1回、あるいはせめて2ヶ月に1回やるだけでも効率がアップします。

それから、自分でできる範囲は限られているので、2〜3年に1回は必ず業者を入れてクリーニングをするのがいいですね。お金はかかりますが、エアコン内部にカビがたまってしまうと、カビを部屋中に広げてしまうことになるので、病気やアレルギーの原因になってしまう場合があります。少なくとも、吹き出し口を確認して黒いカビらしきものをみかけたらすぐに業者に連絡してください。清掃すると中からごっそり汚れが出てくるはずです。

それから、エアコンの真下など、風が流れる場所には物を置かないようにしましょう。背の高い家具の配置などに注意です。

室外機も意外と盲点になりやすいです。見栄えのために周辺をカバーなどで囲ってしまうと、風を妨げて効率が落ちてしまいます。

ゆみ:よく室外機の上につけられている銀色の屋根みたいなのは?

まさき:室外機が温まりすぎるのはよくないので、銀のカバーを載せて直射日光が当たらないようにするのは正解です。

ただ、別の問題もあります。ああいう商品はすぐに劣化してマイクロプラスチックとして飛散するので、なかなか悩ましい。理想を言えば、室外機のちょっと上にひさしとかアウターシェードのようなものを設置して、日陰を作れたりするのが一番いいと思います。

ゆみ:設定温度についてコメントは?

まさき:冷房の場合、設定温度を1度上げると使用エネルギーが10%減ると言われています。

ただ、暑い寒いといった体感は人によって違うから何度が適温というのは難しいです。よくエアコンをつけると寒い、という声を聞きますが、直風が当たらない工夫をするのが大事です。風向を人がいない方にする、業務用エアコンだったら風除けカバーみたいなものを使うのがおすすめです。

ゆみ:温度があまり高くないときは、除湿モードの方がいい?冷房がいい?

エアコンの機種にもよりますが、一般的に除湿モードは結構エネルギーを使うとされています。普通の冷房機能でも除湿はされるので、冷房の設定でいいと思います。温度をあまり下げ過ぎたくない場合は、温度を高めに設定しておけば除湿もしてくれます。

ゆみ:私たちも経験あるけど、つけても全然涼しくならない!みたいな古いエアコンはやばいから交換した方がいいというのも話した方がいいんじゃない?

まさき:(なんか聞き方がだんだん雑になってきたな)基本的には、モノを長く使い続けることはエコなのですが、電化製品については必ずしも長ければ良いというわけではないと認識してほしいと思います。家具などと違って、古くなると性能も落ちてしまいます。すると、あまり涼しくならないのに、電気ばかりはたくさん使って、環境にマイナスになってしまうのです。

メーカーでは大体、設計上の標準試用期間を10年くらいに設定しています。平均では13年くらい使っている人が多いようです。最低でも10年は使ってほしいですが、その後は20年になるまでには交換してほしいです。20年過ぎたエアコンを使い続けるのは、人間で言うと100歳超えている超高齢者を過酷な工事現場で働かせ続けるようなモノですから、そろそろ引退させてあげてください。

まずは、自宅のエアコンの製造年が何年かを確認してみるのがおすすめです。思っていたより古いこともあるので。

ゆみ:私たちもモノを長く使う方だけど、エアコンとか冷蔵庫とかはある程度で交換するよね。

まさき:エアコンや冷蔵庫などは、製造時のエネルギーより運転時のエネルギーの方がはるかに大きい機器です。この2つの製品の省エネ性能は、特にこの15年間かなり上がっているので、交換を検討することをおすすめします。それから、家電は廃棄する際にリサイクルされている部分もあるので、すべてがごみとして燃やされたり埋め立てられているわけではないことも伝えておきます。

ゆみ:最後にまとめをお願いします。

まさき:はい、日本のエアコンの性能は、実は世界トップレベルです。ただし、その効果がうまく発揮されていないケースが多いのは、住宅の断熱性能が低いからです。エアコンの効率を最も良くするためには何より断熱が大事です。DIY からでもいいので、ぜひ窓からやってみてください(詳しくはこちら)。そうすれば電気代を削減しながら、同時に快適性をアップさせることができます。劇的に変わりますよ!

ゆみ:結局断熱の話なのね。これで終わりです。お疲れ様でした。

まさき:(結局ってなんだ!?)参考になれば幸いです。ありがとうございました。

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