高橋さんちのKOEDO低燃費生活

停電体験で再確認したエコハウスの威力

停電体験で再確認したエコハウスの威力

ここ最近、立て続けに停電を体験しました。1回はわが家で、もう1回はゆみの実家でした。停電の理由は、一度に電力を使い過ぎてブレーカーが落ちたことなのですが、比較してみると、色々と違うことが出てきて、実験としてはとても面白い体験になりました。

今日は、2度の停電体験についてと、その時に考えたことを書きたいと思います。

停電その① わが家の場合

11月末、わが家に工事が入り、それまで使っていたガスコンロからラジエントヒーターという電気を使った調理用の加熱機器に変わりました。かなり端折って説明すると、ラジエントヒーターはIHと似ているけれど、電磁波は限りなく少なく、でもIHに比べて熱効率が悪い(=電気代がかかる)というものです。

必要に迫られて交換しましたが、電気代が上がるのは困る!ということで、お湯は電気ポットで沸かすことにして、食事を温めるのに、電子レンジを前よりも多く活用するようになりました。

ある日、料理をしていると・・・パチ!と音がして真っ暗になりました。普段のわが家では、電気を使いすぎることはありません。これまでは、40アンペアの契約でもまったく問題ありませんでした。

しかし、最近は2階で寝ているおまめちゃんの部屋の温度維持のために、2階でデロンギを使うことが増えました。さらにこのときは、たまたまラジエントヒーター2つで料理をしながら、電気ポットでお湯を沸かしつつ、電子レンジを使おうとしたので、ブレーカーが落ちてしまったのです。

懐中電灯を探して、ブレーカーを上げるとしっかり電気がつきましたが、久しぶりの停電にちょっと焦りました。

②停電その② ゆみの実家の場合

それからしばらくして、家族でゆみの実家(築40年)に泊まりにいくことがありました。その日は、今年一番の寒さの日でした。元々極度な寒がりなのに加え、エコハウスの生活に慣れてしまった僕は、厚着はもちろんのこと、(あまり寒がりではない)みんなが知らないうちに(笑)暖房を強めたり、使える暖房をフル活用したりして、できるだけ暖かく過ごしていました。

夜遅く、寝る前にお風呂に入ろうと準備をしていると・・・再び、パチ!と真っ暗になりました。どうやら、僕がつけた浴室の暖房と、脱衣所のヒーターが原因のようです。

ゆみの実家も、契約アンペア数は、わが家と同じ40アンペアです。ゆみのお母さんが次々と懐中電灯を持ってきてくれたので、それを頼りにブレーカーをあげようとしましたが、どこを上げても下げても、何も起こりません。漏電はしてなさそうですが、とにかく何もつきません(こちらは後日撮影したブレーカー)。

ということは、街中(もしくは近所)が停電しているかもしれないと外に出ましたが、やっぱり停電しているのはうちだけでした(笑)。そうこう言っているうちに、家の中、暖房をしていた部屋もあっという間に冷えてきました。ゆみのお母さんが今度は毛布を持ってきてくれました。

思い当たることを色々試してみましたが、どうにもならず、ついに助けを求めることにしました。電話をかけた先は、「東京電力パワーグリッド」です。ちなみに、停電した時に連絡するのは、どこから電気を買っているかにかかわらず、そのエリアの大手電力会社になります。「発送電分離」といって、送電網を管理する会社と、電気を小売する会社は分社化されています。そして、送電網を管理することについては電力自由化の以前と変わらない、ということをぜひ覚えておいてください。

ちなみに、ネットでこのような緊急時にサポートしますと宣伝している民間の会社の中には、法外な値段を取る会社もあるので気をつけてください。

東京電力の方は、ありがたいことに24時間対応で、1時間くらいで(日付が変わって午前1時頃!)わが家に来てくれました。来てくれた技術者さんは、手際よく、分電盤のブレーカーを一通り調べてから「太陽光発電がついていますね。これは外だな」と一言。

「外!?」

実際に家の外に出てみると、みたことのないボックスの中に、なんともうひとつ分電盤がありました。家の中で上げたり下げたりしていたアンペアブレーカー、漏電ブレーカーのさらに手前に、主幹ブレーカーがあったのです。この事実を、ゆみのお父さんは知っていたようですが、すでに寝ていたため、僕らにはわかりませんでした。

その主幹ブレーカーをパチ!と上げると、家の電気がつきました!!!一件落着です。技術者さんは、夜中にも関わらず「大ごとじゃなくてよかったですね〜」と爽やかに帰っていきました。

電気がついたのもとてもありがたいですが、この寒い日に暖房が使えることのありがたみがさらに身に染みました(特に僕の身体には、苦笑)。

今回の停電から学んだこと

今回の停電事件で学んだことをまとめると・・・

その1・暖かくしようと電気を使いすぎると寒い思いをする

後で確認してみたら、実はゆみの実家で停電が起きた時、僕たちが泊まった部屋を含め、4つのエアコンと2つのホットカーペット(とガスストーブ)、あちこちの照明、それに加えて、僕がつけた浴室の暖房と洗面所のヒーターがついていました。

そりゃブレーカーも落ちますよね。でも、寒ければ寒いほどより多くの暖房をつけたくなるし、それぞれの出力も上がるので要注意です。ちなみにその日の脱衣所(暖房なし)の室温は6℃でした(笑)。

その2・断熱がされていない家(部屋)の暖かい空気の抜け方は半端ない

築45年近いとは言え、ゆみの実家ではそれなりの数の窓に内窓をつけているのに、暖房が切れた時の冷え込み方は、想像をはるかに超えるスピードでした。ぐんぐん室温が下がる感じがわかったほどです。

今回は短時間のことでしたが、これが災害などで長期的に電気が来なくなると、かなり辛いですし、場合によっては命の危険を伴うかもしれません。そういう時のために、暖を取れる手段を確保することも重要ですが、何よりも断熱が大事だと感じました。

例えば、わが家の場合、同じような状態で停電が起こっても、家の温度は1〜2度しか下がらないので、朝まで待ってから電力会社に連絡することも可能です。

日常の快適性アップ、ヒートショックの防止、そして停電対策としても、断熱が効果的であることを改めて思い知ったのです。

その3・配電盤は外に(も)あるかもしれない

今回初めて知ったのは、家の配電盤が必ずしも1つではないかもしれないということ。ゆみの家族を含めて、家の外にもうひとつ配電盤があることは知りませんでした。

一般の家であればひとつの家が多いと思いますが、停電が起きる前に、一度、確認・実験してみることをおすすめします。

今年最後の記事が、ハプニングの話になってしまいましたが、今年も1年間、ありがとうございました!

来年(2024年)1月17日は、僕がこれまでの取材や体験を踏まえてまとめた断熱の本が発売です!もちろん、このブログで紹介しているエコハウスについての話もたっぷりしています。ご予約いただけるととってもうれしいです!

みなさん、どうぞ良いお年を!

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