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エアコンの出力、どうやって選びますか?【後編】

エアコンの出力、どうやって選びますか?【後編】

今回は、先月に続き、住宅の断熱性能や断熱等級と、エアコンの出力の関係について書きたいと思います。(まだ読んでいない方は、ぜひ前編からお読みください!)

前回は主に、家の断熱性能が高ければ、エアコンは畳数表示ほどの出力がなくてもよい、というお話をしました。今回は、気密性能との関係、既存住宅でできる具体的な対策、そして最近のエアコン畳数表示の見直しの動きについて書いていきます。

気密性能との関係

日本でも断熱性能への関心は少しずつ高まってきていますが、気密性能については、まだあまり知られていません。また、気密性能には国の基準もありません。けれども、エアコンの性能を十分に発揮させるためには、断熱材の厚さなどに関わる「断熱」だけでなく、「気密」もとても大切なポイントです。

冬に暖房をつけていても、足元がスースーした経験があると思います。気密性が低い(家に隙間が多い)家では、エアコンで暖められた軽い空気が天井から逃げて、足元から冷たい空気が引き込まれる「温度ムラ」が発生します。

温度ムラは不快なので、「エアコンは暖房には向かない」と思われがちです。そのため、日本では足元を暖める床暖房や、足元から高音の熱風が出るガス&石油ファンヒーターなどが好まれます。でも、声を大にして言いたいですが、冬の暖房にエアコンが人気ないのは、エアコンのせいではありません!家の断熱・気密性能の問題なのです。

断熱と気密のイメージは、セーターとウインドブレーカーの関係に例えられます。真冬に厚手のセーターを着込んでも、隙間から北風が入ってくるので寒さを感じます。そこで、セーターの上にウインドブレーカーを羽織ることで、冷たい風の侵入を防げます。それが気密の効果です。(気密については、過去の気密測定した時の記事も参考にしてください。)

断熱と気密はセットで高めることで、エアコンだけでも快適に暖かく過ごすことができるようになるのです。わが家では、外気温が0度を下回る日でも、10畳用のエアコン1台を「しずかモード」でつけておくだけで、家全体が約22度前後を保っています。

ゆみ(かみさん)やおまめちゃん(子ども)はいつも裸足です。(僕は寒がりなのでしっかり靴下を履いていますが、笑)

既存住宅でできる断熱・気密対策

では、既存の住宅の対策として何をすればいいのでしょうか?

ある程度のお金をかけることができるなら、断熱材を厚くする断熱リフォームを、また家に隙間が多い場合は気密工事がおすすめです。

ただ、戸建て住宅の場合はどうしても面積が多くなってしまうので、最も時間を過ごすリビングや、ヒートショックのリスクが高い脱衣所、浴室から優先的に行うという方法もいいでしょう。

マンションは、木造の戸建てに比べて気密性が高い傾向にあるので、窓の断熱性能を強化したり、外に面している壁や床などの断熱が有効です。(断熱リフォームについては、このブログで何度も書いているのでぜひ参考にしてください。)

なお、賃貸などで本格的な改修ができなかったり、予算がなかったりしても、自分の家の弱点をチェックして、以下のような対応をすることで、エアコンの効きはずいぶん変わります。

では、具体的な対策を紹介します。

① 窓対策(内窓の設置)

窓は家の中でも熱の出入りが一番多い場所です。そのため、優先的に取り組むべき場所です。

予算があれば、業者の内窓を設置するのがおすすめですが、ない場合でもDIYで設置できる窓もあります。どうしても内窓が設置できない場合でも、ハニカムブラインドや冷気カットパネルなどを活用して、冷気・暖気を遮断しましょう。

② 天井の断熱強化

天井が断熱されていないと、夏には日射からくる熱がそのまま家の中に伝わります。そして、冬には天井から暖房の暖気がどんどん逃げてしまいます。断熱材が入っていない場合は、入れることをお勧めします!

その際、断熱材の厚さは既存の断熱材と合わせて最低でも20cm程度は確保したいところです。予算が許せば30㎝できればバッチリです。(天井断熱の例はこちら

③ 隙間の特定と対策

これはどんな家でもできます!放射温度計(2000円程度で購入可能)などで冷気の侵入箇所を特定して、隙間テープやコーキングで塞ぎましょう。換気扇を回すと冷気が引き込まれるので、より分かりやすくなります。そして、隙間テープは意外と効果があるので侮れません。

その他にも、床に厚手のマットを敷くなど、賃貸でも可能な対策が色々とあります。それもこのブログで紹介しています。やればやるほど効果が出るので、ぜひ試してみてください。

暖房効率を高める工夫も大事

エアコンは他の暖房器具と比べて暖房効率が高いのですが、使用の際に気をつけるべきことがあります。それは、エアコンの暖気が部屋全体に行き渡るよう、気流を意識することです。

まず確認したいのは、気流を妨げない家具の配置になっているかどうか。たとえば、エアコンの吹き出し口の下に、背の高いタンスなどの家具は置かないようにしましょう。

そして、サーキュレーターなどを併用して、室内の空気を循環させます。サーキュレーターは、暖気のたまりやすい部屋の上方向に向けておきましょう。そうすることで、温度ムラを解消し、足元まで暖かくすることができます。

エアコン畳数表示の見直しの動き

最後に、最近のエアコン畳数表示の見直しの動きについてお話しします。

前編でもお話ししましたが、エアコンの畳数表示は1960年頃から変わっていません。明確な理由があるわけではないのですが、改定されてこなかったのには、いくつかの背景や要因が推測できます。

まず、行政、メーカー、消費者のそれぞれの事情から、これまで大きな不便が感じられず、変更による混乱を避けたかったというのが大きいでしょう。

そして、日本の住宅の断熱性能が長年にわたって良くなかったため、あまり問題になってこなかったからという理由もあります。

ただ、近年、高性能な住宅が急激に増えていて、断熱のレベルアップが進んでいるため、現状の畳数表示とのギャップが問題となり、住宅の断熱性能に応じた畳数表示の見直しに関する議論が、ようやく検討され始めているところです。

遅すぎる動きとはいえ、今後の変化を注目していきたいと思います。

これまで、前・後編という形で、エアコンについてお話ししてきました。今後のエアコンの設置、買い替えの際に、参考にしてもらえるとうれしいです。

今年もわが家の断熱ブログをお読みいただき、ありがとうございました。

みなさん、どうぞ良いお年を!

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