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省エネ性能が低い家はもう売れなくなる!わかりやすく解説します!

省エネ性能が低い家はもう売れなくなる!わかりやすく解説します!

この春、今後の日本の住宅性能を大きく左右する法律(および制度)が2つ変わりました。今日は、それらの法律や制度が何なのか、家を建てる人や社会にとってどんな意味があるのかについて、わかりやすく説明したいと思います。

まずは「建築物省エネ法改正案」です。

4月22日に閣議決定されて、今国会で正式な法律になる見込みです。これにより、2025年以降に建てられる新築住宅については、最低限の省エネ性能の基準が法的に定められることになります。今までは、どんなレベルの低い住宅でも建てることが許されていたので、それができなくなるという意味では大きな一歩です。

この話は、実はずっと以前から義務化されるべき、という話が出ていたのですが、そのたびに、「断熱性能を高めると購入する消費者のコスト負担が増える」とか(←長期的に考えるとこれは違う)、「コストが増えて住宅販売が落ち込む」とか(←やり方によってはそんなことはない)、さまざまな理由をつけて、義務化が見送られてきました。

そして今回の国会でも、改正される予定だったにもかかわらず、一度見送られそうになりました。しかし、エコハウスを増やすべきと考える多くの人たちの努力によって、議員を動かし、閣議決定に至りました!良識のある研究者、建築家の方たちが政府に粘り強く提言を続けた成果でもあります!

この法律によって、これまでの等級分けで最高とされていた「断熱等級4」というレベルが、満たす必要のある最低基準になりました。この等級4は、30年前に作られた基準で、性能はしょぼいレベルのものです。しかし、「次世代省エネ基準」という名称が長い間使われて、まるでレベルが高いかのように扱われてきました。

わが家の近所には大手ハウスメーカーの住宅展示場があり、よくポストにチラシが入っています。チラシでは「最高等級の性能!」と宣伝していましたが、よく見ると等級4と書いてあるので、それを見るたびに、オイオイ〜、と思っていました。それでも、一般のお客さんは「そうか、国が定めた最高等級なんだ!」と高性能を期待してしまうかもしれません。消費者にとって、すごく不親切な制度だったのです。

今回の改正で良かった点は、そのレベルが明確に「最低基準」と位置付けられて、そのような詐欺的な販売方法が通用しなくなる点です。さらに、最低基準となったからには、メーカーとしてはもっと上を目指さないと売りにならなくなるわけで、業界全体が性能をレベルアップしていくことにもつながります。

大きな前進ではあるものの、これで十分とは言えない点もあります。現在は、建てられている新築住宅の9割ほどが、すでに断熱等級4をクリアしています(←今後の最低基準になるくらいですから当たり前です)。つまり、現状を追認しただけだから法律が通りやすかったという面もあります。改正案が通ったからといって、劇的に何かが変わることはありません。

また、この最低基準は、まだヒートショックを防ぐのに十分な断熱レベルとは言えません。この等級4のレベルは、欧州では建ててはいけない性能の家、つまり違法建築レベルの家です。だから当然、これから建てる家は等級5以上、できれば6以上が当たり前の社会にしていくべきだと思っています。

繰り返しになりますが、それでも最低基準が義務化されたこと、断熱等級4は最高ではないことが明確になったのは大きな一歩です。ドイツでは、20年以上前に最低基準のレベルを設定してから、数年おきにそのレベルを上げてきました。そうすることでエネルギー効率が上がり、ヒートショックも起きないし、住む人は快適に暮らせて、脱炭素にも貢献します(ドイツでの取材についての記事はこちら)。日本もこの義務化で終わりにするのではなく、基準をさらに厳しくしていくなど、少しずつレベルアップする必要があります。

そしてもうひとつ。この法律と同じ頃に、新たな断熱等級が3つ設けられました。これまでは4が最高等級だったのが、3つ増えて7が最高になりました。これも大事な変化です。(といっても、実質4が最低ラインになったので、考える必要があるのは4以上の4種類ということになります。)

では、断熱等級5から7までの違いとは何でしょうか?ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。「ゼロエネルギー」というとなんだかものすごい性能のように聞こえますが、断熱レベルは実はそれほどでもありません。ZEHは、断熱等級で言えば5にあたります。

ヨーロッパの多くの国では、断熱等級5は違法建築ギリギリです。6でも、昔の基準だと言われるほどです。それくらい現在の日本の住宅は全体的にレベルが低いことを念頭におくことも大事です。

ヒートショックの危険がなく、省エネで、快適に過ごせる家のレベルは、断熱等級6(HEAT G2)以上です。なので、実はZEHの家はあともう一歩というレベルなのです。4や5のレベルで、全館暖房してしまうと、以前よりもエネルギー消費が増大する可能性が高くなり、オススメできません。

そのような意味でも、断熱等級6と7が新設されたのは、とても大きな進歩です。国際的に見て、本物のエコハウスと呼べるレベルのものを測る基準が、国レベルで導入されたからです。

日本は、多くの気候があり、地域ごとに省エネ地域区分というもので分けられています。関東地方など、日本の人口が多く住むエリアの地域区分は、5と6になっています。地域により細かく分かれているので、自分の住んでいる地域をチェックしてみてください。同じ断熱等級でも、地域によって必要なUa値(断熱レベルを示す数値)が変わってくるので、確認してみてください。

まとめると、
・断熱等級4は国が定めたこれまでの最高基準だったのが、2025年からは最低基準になる(3以下は論外)
・断熱等級5はZEHレベルだが、これから建てるとしたら不十分
・断熱等級6は、ヒートショックの危険がない、快適、省エネの家
(ここまでのレベルであればそれほどコストをかけなくても達成できる)
・断熱等級7は、日本では最高レベルのエコハウス
(まだ日本にはあまりありない。わが家はココにあたります)

断熱等級6以上であれば、全館冷暖房をしても、エネルギー消費を増やさずに安心して暮らすことができます。省エネと快適性、健康を両立できるエコハウスと言えます。また、等級4や5から6に上げるためにかかる追加費用は意外と少なく、100〜200万円と言われています(純粋に断熱にかかる追加費用のみ)。それだったらやらない手はないですよね?

すでに、エネルギーのコストはかなり高騰しています。将来的にも上がり続けると予測される中、エコハウスには、光熱費が下がり、停電や災害の時に暖房を止めても寒くならない、ヒートショックにならない、といった様々なメリットがあります。

これから家を建てる、選ぶという方は、メーカーにお任せではなく、消費者としてしっかり選んでください。どんなにハウスメーカー側が「性能が良い」とうたっていても、断熱等級が6もしくは7でない新築住宅は、そんなに性能が高くないということは覚えておいてほしいと思います。

なお、今回は新築住宅に関する法律や制度についてまとめましたが、世の中の建物のほとんどは既存住宅です。それらを、改修を通してレベルアップしていく必要があります。リフォームで断熱等級7にするのは簡単ではありませんが、内窓をつけるだけで、現在のレベルから等級1個分を上げることは十分可能です。ぜひ検討してみてください。

この法律改正をきっかけに、新築も既存住宅も、日本全体で住宅の底上げをしていけたらいいなと思います。

今日はここまで!

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