
梅雨を通り越して、一気に夏になったような天気が続いていますが、エコハウスは相変わらず威力を発揮しています。こんな気候でも、家の外できちんと直射日光を遮っているかぎり、外の暑さや湿気の影響をほぼ受けずに過ごせています。
ただ先日、誤って家の中の空気循環を丸一日滞らせたら、エアコンを使っているのに予想外の温度ムラができました。今日は、その体験について書きたいと思います。
わが家には、ヴェントサンというダクトレスの第一種換気システム(給気と排気を機械で行う)がついています(詳しくはこちら)。

ヴェントサンは、家の外と中の空気を入れ替えて室温を保つのにも一役買っている、わが家の肺のような存在です。
この換気システムの性質上、わが家では基本的にすべての部屋のドアを開けっぱなしにして生活しています。ある意味、巨大なワンルームのようです。それで、エアコン1台(夏は2階、冬は1階のものを使用)だけで、家の中全体の温度や湿度がほぼ同じ状態を保つことができています。

夏のエアコン(冷房)の設定温度はだいたい28.5℃。それなのに、なぜか家の中は大体25度くらいになります。
しかし、ある猛暑の日、午後の遅い時間に1階の室温がじわりじわりと上がってきたことに気づきました。25℃を超えると暑がる私は、26℃台になると、汗がにじみ出てきます!なぜだ!?解明しなければ!
2階に行ってみると、2階の温度はいつも通り。


直射日光が入らないように、カーテンと外付けブラインドも閉まっています。



が、なんと、おまめちゃんの就寝から大人の就寝までの間だけ(リビングの音と光を遮るために)閉めている、吹き抜けからベッドルームに通じる窓を開けるのを、すっかり忘れていました!

しかも、空気を回すためのサーキュレーターも、ずっとオフのままでした!
1階に戻って洗面所に向かうと、洗濯の乾燥機が止まったばかりでした。温度は27℃(ちなみに、この温湿度計の湿度はいつも高く出るのであまり参考になりません)、温度高めです。

しかも、その前には料理をしたので、キッチン周りも少し温度が高そうです。
お風呂も含め、わが家の主な熱源はすべて1階にあるのですが、2階から階段下にエアコンで冷やした空気が送られ、吹き抜けから2階のベッドルームに暖かい空気が流れるという循環がある限り、家全体の室温が安定します。家全体とは、2階の屋根に近いロフトから玄関など、家の端から端までです。
でも、この日は空気の流れを窓で止めてしまったために、暖かい空気が1階にとどまり、2階の方が涼しいという珍しい現象が起きたのです。乾燥機の発熱量はあなどれませんね!
実際、閉めていた窓を開けるとすぐに、ふんわり暖かい空気がベッドルームに流れ込み、1階のダイニングテーブルの足元にはひんやりした空気が流れてきました。

サーキュレーターで流れをスピードアップすると、1階の温度はじわりじわりと下がってきました。よかった!
まとめ
エコハウス(高気密・高断熱住宅)は、家の外と中がまるで別世界のような環境(特に猛暑や極寒、湿気が多かったり、乾燥している時期)を保ってくれる、すばらしい家です。ただし、時々誤解されるのですが、魔法の家ではありません。
ですので、今回のように使い方を間違えるとちゃんと(?)暑くなったり、湿気がこもったりと、普通の家とは異なる悩みが出たりします。私たちはマニアックに研究しているので、当たり前のようにやっていますが、それなりに気をつけなければいけない場合もあります(ダクトレスの換気システムを使っている場合は特に)。
エコハウスの住まい方について、詳しくは以前書いた『エコハウスでは「住まい方」を変えるべし!そのココロは?』を参考にしてください。
それでは本件は解決!めでたし、めでたし。