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熱中症アラート!家を断熱せよ!

熱中症アラート!家を断熱せよ!

今年も酷暑の夏で、断熱ジャーナリストのまさきさんは、おおいそがしです。そんなわけで、今回は、熱中症や断熱の関係について、私がまさきさんから聞き取ってまとめるという形でお届けします!

これまで「断熱」というと、冬の寒さを軽減するものというイメージがあったと思いますが、その常識は変わりつつあります。酷暑で熱中症も増え、少しづつですが、大手メディアでも、「暑さ対策」として断熱が紹介されるようになってきました。

天気予報の気温=実際の温度じゃない

わが家がある埼玉県の川越は、実は猛暑で有名な熊谷と同じくらいの暑さです(あまり知られていませんが)。気温が40℃に届きそうな日もしばしば!

気温が36℃だと、体温と同じくらいになります。その気温は、どうやって観測されているのでしょうか。気象庁によれば、気温は、芝生などの上、1.5メートルの高さで計測されています。その際、温度計には直射日光が当たらないよう、筒の中に入れられています(電動ファンで外気も常に取り入れられています)。

しかし、実際の気温はそうやって測った公式の「気温」よりもずっと暑いのです。たとえば、わが家の周りの直射日光が当たっている道路の表面や低い場所は、全然温度が違います。

これは、気温32℃くらいの日の16時頃に、家の向かいにある駐車場をサーモカメラで撮った写真です。

コンクリートが熱せられて、44℃になっています。なんと気温よりも10度以上高くなっています。夕方の少し日差しが弱まってからでもこの温度です。

このように、道路のようなコンクリート面はずっと熱くなるので、気をつけなければいけません。また、子どもやペットなどは、40〜50℃になる地面に近いところに頭や体があるので、より気をつけなければいけません。

熱中症は家の中でも

この暑さですから、当然ながら熱中症が多くなります。しかし毎年の統計では、熱中症で救急搬送された人が一番多い場所は、室内(約4割)です。だから、家の中にいれば安全というわけではありません。

熱中症で倒れる人の多くは高齢者で、そのうちの多くはエアコンを使用していなかったというデータもあります。高齢だと、長年通風だけで夏を過ごしてきた経験や、エアコンが贅沢品だという感覚を持ってきた可能性もあります。

しかし!気温が30℃くらいまでなら、なんとか通風でしのげても、体温より高い温度の空気で通風しても全然涼しくなりません。また、湿気も高いので熱中症のリスクが高く、本当に危険です(通風ではダメな理由はこちら)。

今の酷暑を考えると、一定の温度を超えたら、①窓の外で直射日光を遮った上で、②窓を閉めて、③エアコンを使うことが、命を守ることにつながります。(サーキュレーターで空気を循環させるとより効果的です)

エアコンを使うと光熱費がかかる…?

なお、エアコンは電気代が高い!というイメージがありますが、それは誤解です。現在のエアコンは性能がよく、特に冷房では、思われているほど光熱費は高くなりません。家庭の電気消費量のうち、冷房に使うエネルギーは2〜3%ほど。それを我慢して倒れてしまっては元も子もありません。躊躇せずに使って欲しいと思います。

もちろん、家の断熱性能によって光熱費がどれくらいかかるかは異なります。このブログで何度もお伝えしている通り、断熱リフォームはできる限りやってみてください!優先順位は❶窓→❷天井→❸床の順です。(過去の記事で、DIYから業者のリフォームまで、様々な断熱対策を紹介しています。)

家ですべき熱中症対策

では断熱ジャーナリストとして、熱中症対策を「家」と言う切り口から考えます。自分の家でも、また高齢のご家族がいる場合は、お盆の帰省の時にぜひやってください。

まずは、エアコンを適切に使えるように、温湿度を数値化しましょう。特に、高齢の家族がいる場合は、一定の温湿度になるとアラームが鳴るような温湿度計を部屋に設置しましょう。高齢になると、代謝が落ち、皮膚や身体の感覚が鈍ります。「自分は暑くない」と思っていたら、いつの間にか熱中症になり倒れる高齢者は多いのです。自分の感覚だけを信じずに、客観的に評価する機器を取り入れることが大切です。

次に、しっかりと(できれば家の外で)日射されているかを確認してください。日射遮蔽については、『猛暑を乗り切れ!夏の日差しは入り口で防ぐべし!』で解説しています。

長期的な視点で考えると、内窓を含めた断熱リフォームを行なうことをお勧めします。

なお、古い家の場合は、窓対策だけではそこまでの効果が得られない場合があります(もちろんやらないよりはずっとましではありますが)。窓の次にやるべき場所は、天井です(やった人の例はこちら)。わが家の天井には30cmの断熱材が入っています。何も入っていない場合はもちろんのこと、すでに15cm入っていたらあと15cm追加したらバッチリです! (効果は断熱材の種類にもよります。厚さの目安は、一般的な高性能グラスウールの場合になります)

費用は40〜50万円といった金額になりますが、特に2階の温熱環境の変化は、コスト以上の価値があります。さらに、冬の暖房の暖気が天井から逃げていかないので、寒さ対策にも効果があり、光熱費も削減できます。

なお、断熱リフォームをする場合は早急に行いましょう。というのも、今年度は断熱リフォームには補助金が使えますが、25年度までで一段落となる予定です。来年度からはなくなるか、あるとしても大幅に下がってしまう可能性があります。急げ〜!!!

外壁の色にも要注意

余談ですが、家は外壁の色も重要なので要注意です。近所で測ってみました。

こちらはわが家の壁です。ちょっと汚れていますが、白に近い薄いベージュです。

外気温は34〜5℃くらいで、直射日光が当たっていた部分の表面温度は45.7℃でした。壁に映った私の姿が面白いです。

そして、こちらが近隣の黒い壁です。

ほぼ同じタイミング・条件で測りましたが、54.9℃。約10℃高いです。

最近、ダークカラーの外壁が人気のようですが、色は白に近い方が日光を反射します。黒などの濃い色は、熱を吸収するので外壁がかなり熱くなります。

断熱をしている家だったとしても、快適性または光熱費への影響は多少はあります。もし、断熱していなかったらその違いはもろに受けてしまいます。これから家を建てる人や壁の塗り替えを考えている方は、ぜひ、その点も検討してください。

今回は、熱中症と家でできる対策について、解説をしました!

夏こそ断熱!どんな家でも断熱!の時代が来ています。ぜひ、周りの方にも広めてくださいね。

それではまた!

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