高橋さんちのKOEDO低燃費生活

節電要請時の心得と備え

節電要請時の心得と備え

先日(2022年3月22日)、関東から東北にかけて、節電要請が出ました。その理由は、16日に福島県沖で起きた地震の影響で、一部の火力発電所が停止していたことに加え、急激に気温が低下したためと発表されました。

それに加えて、そもそも日本の電力供給システムがぜい弱という理由や、最近の世界的なエネルギー価格の高騰で、燃料が入りにくいという事情もありました。

国と電力会社から企業や家庭に節電の呼びかけがありましたが、それぞれの努力で今回は大規模な停電を避けることができました。でも、今後も同じようなことが起こる可能性はあります。

では、緊急で節電する必要があるとき、家庭ではどうすればいいでしょうか?先日、TBSラジオに呼ばれて話したのですが、全部話せなかったのでここで書きます(笑)

電気を熱にする家電から止めよう

家電により必要な電力は大きく異なります。止める家電の優先順位をつけることで、過度なガマンをしなくても消費電力を大幅に落とすことができます。

まずは、電気を熱にして使うものをチェックしてください。電気エネルギーを熱に換えることはとても多くのエネルギーが必要になるので、使用を控える優先度は高くなります。例えば、トイレの暖房便座、電気ポット、洗濯機の乾燥機能、食洗機、炊飯器の保温機能、ドライヤーなどです。

止めたり使えなくなると少し不便になるかもしれませんが、緊急時だと割り切れば生活に支障のあるものではないはずです。こうしたものを優先的に止めるようにしてください。

暖房は効率の悪いものから止めよう

暖房については、寒くて体調を崩すなど、健康面に影響する可能性があるので、極端に使用を減らさなくても構いません。しかし、複数台使っている場合は、エネルギー効率の悪いものから切って、必要なものだけを残すという方法はあります。

まず初めに切った方がいいのは、めちゃくちゃ電力を使用するオイルヒーターです(詳しくはこちら)。

また、ホットカーペットや電気ヒーターなども、エネルギー効率が悪い割に、部屋のごく一部しか温められない機器です。そしてもうおわかりだと思いますが、これらはいずれも電気を熱に換えて暖房するものですよね。やはり暖房も優先的にそうした機器から止めていくのが良いと思います。

このような状況で暖をとるには、部屋全体を暖めるものを優先するのがオススメで、一番効率がいいのはエアコンです(詳しくはこちら)。エアコンも電気を熱に換えるのですが、ヒートポンプという技術を使って、他の暖房機器よりも効率的にエネルギーを利用しているためおすすめです。ちなみに、エアコンの設定温度を少し下げることで、多少の節電が可能です。

ダークホースはコタツです。こちらも電気を直接熱に換えるので、エネルギー効率は良くありません。でも布団がかかっている狭い範囲だけを暖めるので、比較的消費量は少なくなります。(とはいえ、コタツに頼っていると入りっぱなしで動かなくなるという研究結果もあるのでご用心ください)

あまり効果がないのは・・・

頑張ってやっている人が意外と多い、スイッチのこまめなオンオフ、テレビなどの待機電力を切る、などは、実は消費電力にあまり大きく影響しません。そのため、できる範囲でやるくらいで良いと思います。

なお、LED照明やエアコンなど、起動時にエネルギーをより多く使う家電は、こまめにオンオフを繰り返すと電力を多く使ってしまうこともあるので気をつけましょう。

もっともよい対策は、家を断熱すること!

こういうことは、節電を要請されたときだけ考えるのではなく、常日頃から対策をしておくことが大事です。カギとなるのは、このブログでもよく出てくる「断熱」です。節電(すなわち光熱費の削減)にもなるし、日々の快適性もアップします。

また、万が一停電しても、外気の影響を受けにくいので、冬は暖房が切れても寒くならなりにくいし、夏もなかなか暑くなりません。

すぐにできることは?

今の住宅ですぐにできることは、断熱アイテムを活用する内窓をつけるなどです。これでも消費電力は着実に減ります。

また、夏であれば、日射を入れない窓対策を心がければ即効性があります。

もちろん、これから家を建てようと検討している人には高気密高断熱のエコハウスをオススメしますし、賃貸の場合は場所の選び方(詳しくはこちら)も重要です。

家以外で気をつけたいのは、家電の選び方です。効率の悪い家電やエネルギー機器を見直せば、努力しなくても節電できるようになります。例えば照明の電球です。照明が使う電力は意外と多く、家庭の使用電力の15%程度。

白熱電球をすべてLEDに変えたとしたら、エネルギー消費量は1/5になるので、いままでと同じように暮らしていても大幅に消費電力を削減できるのです。

また、小型の蓄電池があれば、PCや携帯などの充電ができます。ぼくの家では、2万円くらいの小型のものをひとつ持っていますが、スマホであれば15回分くらい充電することができます。暖房など熱をつくる機器には電力が足りませんが、照明や情報を得る手段を確保することは大切なので、災害用に役立ちます。

最後に、自宅の屋根に太陽光発電が載っている人は、停電時に使うことができるので、事前に確認しておきましょう(我が家の実験の様子はこちら

国際的にエネルギー価格が高騰を続ける今、家庭で使うエネルギーを減らし、停電対策をして備えておけば、リスク回避になり、長期的なメリットも大きくなります。

それぞれの住まいや暮らし方に合う方法で実践してみて欲しいと思います。

今日はこのあたりで!

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