高橋さんちのKOEDO低燃費生活

断熱の体感施設を訪問してみよう!

約 7 分
断熱の体感施設を訪問してみよう!

このブログでは「断熱しよう!」といい続けていますが、日本にはまだまだしっかりと断熱されている家が多くはありません。実際に違いを体感しないと、いくら断熱が大事と言われても、ぼんやりしたイメージしか持てないかもしれません。

そのため、どんな形でもいいのでまずは違いを体感することをお勧めしています。わが家を建てた工務店は「低燃費住宅」というグループ(現在は「ウェルネストホーム」に変更)で、全国に宿泊体験ができるモデルハウスを持っています。

でもハウスメーカーのモデルハウスだと、新居を検討していない一般の人はなんだか行きにくいかもしれません。そこで今回は体感入門編として、誰でも気軽に断熱を体感できる施設を紹介します。

「スマートウェルネス体感パビリオン」へ!

最近訪れたのは、神奈川県横浜市にある「スマートウェルネス体感パビリオン」です。

この施設は、横浜市と慶応大学、そして住宅資材総合商社のナイスグループという3社が協力してつくりました(※)。

「スマートウェルネス」という名称は造語で、エネルギー効率が良く(=スマート)、健康で快適な暮らし(=ウェルネス)を表すという意味です。

要するに、わが家のようなエコハウスを体感できる施設という意味になります。

ここには3つの建物があり、展示や体感コーナーがあるセンター棟と、仕様の異なる2つのモデルハウスが並んでいます。

※ちなみにこの施設は、住宅の性能と健康への影響についての専門家である慶応大学の伊香賀俊治教授の監修のもとにつくられています。

くらべルームで冬の体験を

センター棟にある体感コーナーの目玉は、「くらべルーム」です。その名の通り、大きな冷蔵庫の中に断熱仕様の異なる2つの部屋が設置されているので、その差をくらべながら体感することができます。

それぞれの部屋の外に当たる部分は気温5℃に冷やされ、冬の環境を再現しています。

どちらの部屋も、エアコンが20℃に設定されています。窓は2つあり、玄関にあたる面以外は、床や天井も含めて5℃の冷気に囲まれている状態です。

2つの部屋はどう違うのでしょうか?片方の部屋はまったくの無断熱、もう片方は国が決めている省エネ基準(寒冷地用)と同レベルの断熱がされています。壁や床、天井には標準的な断熱材がおよそ10センチ程度入り、窓には樹脂製のペアガラスが使われています。

「国の省エネ基準レベルの断熱」というのは、ざっくり言うとそれほど高性能というわけではありません。今から新居を建てるのであれば、最低限これくらいはないとまずいよね、というレベルと呼べば良いでしょうか。もちろん、まったく断熱されていない家とは明らかに違いがあります。

まずは無断熱の部屋に入ります。エアコンが動いているので、入った瞬間寒くて耐えられない感じではありません。でも入室したときに履いていたスリッパを脱いで、窓際に立ったらひんやりと冷気を感じ、床が寒く感じました。

ちょっとの時間なら極度の寒がりなぼくでも耐えられますが、リラックスして長く過ごしたいとはまったく思えません。もちろん、エアコンを止めたら短時間でも耐えられないでしょう。

窓ガラスは1枚で、サッシはアルミ製です。サッシをさわったら極端に冷たく、もちろん、表面温度も低い数字が出ました。窓やサッシだけでなく、壁や足元、天井などを測ると、最低11℃から最高20度まで温度にかなりバラツキがありました。

快適な空間を実現するには、こうした室内の温度ムラをできるだけ小さくすることが大切とされています。

ちなみに、子どもたちがこの無断熱の部屋に入って口にする感想は、「おじいちゃん、おばあちゃんの家と同じだ」というものだそう。

日本の既存住宅のおよそ40%は無断熱とされています。特に高齢者の住む古い住宅ほど無断熱なので、子どもたちは断熱の違いによる寒さを敏感に感じ取っているようですね。

断熱するとどう変わる?

次に、断熱されている部屋に入ってみます。壁や床、天井などには標準的な断熱材が入り、窓ガラスは2枚になりました。サッシはアルミではなく樹脂製です。

はっきり言うと、入った瞬間は劇的な違いは感じませんでした。その理由は先程お伝えしたように、断熱レベルがそれほど高くはないからです。では体感する意味がないのか?というとそんなことはありません。

五感でよく確かめると、いろいろな違いがわかります。まずエアコンは同じく20℃設定ですが、出力が明らかに小さく、温風が直接身体にあたる不快感がありません。

またスリッパを脱いで窓際に立っても、無断熱の部屋のような冷気をあまり感じることがありませんでした。そして表面温度を測っても、比較的温度差が少なく、どの部分もだいたい17℃から20℃前後でした。

その差は、部屋に長くいればいるほど実感することができました。

2つの部屋で使用している光熱費も公開されています。年間の光熱費は、無断熱ルームでは18,787円、断熱されたルームでは11,585円です。同じ20℃設定で、小さなひと部屋だけで年間7,202円ほどの差が出ています。家全体で考えたら、年間で相当な差になるはずです。やはり省エネのためにも断熱すべしですね。

この施設のメインとも言えるくらべルームは、コンパクトながら手軽に断熱レベルによる快適性の違いが体験できる施設と言えるでしょう。

目で見てわからない違いがわかる

パビリオンには、他にもさまざまな体感設備があります。例えば断熱レベルの異なる窓が並んでいるコーナーでは、手で触って冷たさを感じたり、逆に夏の暑さに対してどの程度伝わるかということも体験できます。

壁の断熱材の性能の違いや、地震に強い家の仕組みも模型でわかるようになっているなど、工夫が凝らされた高性能住宅に関する展示が並びます。

子どもたちに人気なのは、自転車をこいで発電するコーナーです。ぼくもやってみましたが、扇風機くらいの発電をするのもすごく大変でした!

断熱することで同じ量のエネルギーを省エネしたほうがはるかに楽ですね(笑)。

併設されている2つのモデルハウスは、それぞれ仕様や断熱レベルが違います。いずれも、くらべルームで断熱されている部屋よりも高いレベルの断熱がされていました。

特に2つ目のモデルハウスは、壁に断熱材が合わせて約20センチ入っていて、断熱だけでなく遮音性にも効果があることがわかります。

この体感パビリオンは、一般の人から行政関係者まで幅広く訪問し、地元の鶴見小学校の課外授業でも活用されているとのこと。予約さえすれば誰でも訪問できるので、ぜひ活用してみてください。

実は、サッシメーカーのYKK APという会社も、東京都内に同じような仕組みの体感ショールームをつくっています。ここでは、さらに外気温を寒くして部屋を5つ用意しているので、断熱レベルによる快適性の違いをよりリアルに体験することができます。

ただ残念ながら、こちらは工務店など住宅のプロ向けの施設なので、一般の方は体感できません。ぼくが以前訪れたときの記事をこちらにまとめているので、参考にしてください。

また、部屋全体で体感できる施設ではありませんが、窓に手を当てて比較できる設備などは、例えばYKK APの全国の体感ショールームなどで設置されています。

以前、省エネをテーマにしたエキスポの記事も紹介しましたが、そういうイベントでも各企業が工夫をして違いがわかるように展示をしている場合があります。

みなさんも、体感の機会があればぜひ積極的に参加して欲しいと思います。ちょっとしたことでいいので、目で見るだけではわからない違いを感じる事ができるようになることが大切ですから。ぼくも、ユニークな施設を訪ねたらどんどん紹介していきたいと思います。

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